序文 Preface
わたしは、10年近くゲームメーカの一社員として働いてきました。
その間、育ててもらっている感謝を感じつつも、
常に独立した一企画者として活動をはじめることを考えていました。
ゲームデザイナーでございと雑誌に紹介されてはいても、
結局はただのサラリーマンである呪縛から抜けることはできずにここまできました。
コンピューターゲーム業界も爛熟期を迎え、そろそろその構造的な破綻も露見しはじめています。
企画者、デザイナー、プログラマー、サウンドデザイナーが会社の枠組みを外れ、
ゲームごとに集まっては、その瞬間に最大の才能を発揮するような状況が生まれることが
わたしの願いであり、望みであります。
これは、その第一歩。
その野望が達成されるのか、それとも食えずに野たれ死ぬかはわかりませんが、
そんな選択肢も面白いと思うのです。
ハッピーエンドよりもバッドエンドにこそ、人生の楽しみの多くは含まれていると信じつつ・・・
2002年7月16日
村山 吉隆